神社への誘い~神社の参拝方法と神棚の祀り方
神社の参拝方法や神棚の祀りかたについて詳しく紹介しています。
神社に興味を持った理由
筆者が車中泊をする理由の一つに、神社(日本の神様)に興味があるというのがあります。
昔から、普段の生活で不安や悩みがあると、近くの神社へ行くようにしていたのですが、正直神様の名前すら分からない・・・という感じでした。
たまたま『幸せが授かる日本の神様事典』という古事記をわかりやすく書いた本を見つけ読んでみたところ、いつも行っている神社にはどのような神様が祀られているかが分かり、さらに興味が湧いて来ました。
今までも様々な神社へ参拝しましたが、特に良かったのが、早朝の神社。
早朝の神社は、人もいないし空気も澄んでいて、本当に神様がいるのでは??と思えるほど神聖で、心安らげる場所です。
(場所によりますが)早朝の神社へ行きたい時は、仕事終わりで出発し、車中泊をして朝方に神社参拝。近くに温泉があれば入って帰宅なんてこともよくやります(^^)。
旅のついでにでも、是非一度神社参拝してみて下さい。早朝とは言いませんが、特に午前中の神社はとてもすがすがしい気分になれると思いますよ。
以下で神社参拝の基本と、神棚の祀りかた、おすすめ書籍などをいくつか紹介したいと思います。
神社の参拝方法
✅鳥居:
神社への入り口、鳥居は端をくぐります。中央は神様の通り道と言われていますので開けておきましょう。
入るとき、出る時は一礼を忘れずに。
✅参道:
参道も鳥居と同じで、中央ではなく端を歩くと良いでしょう。
✅手水舎(ちょうずや):
神事を行う場合には、川で禊(みそぎ)をし、身を清めてから行うのが習わしでした。
手水舎(てみずや/ちょうずや)で手と口を洗うのはそれらの儀式を簡素化したものです。参拝前には必ず行いましょう。水すら入っていない神社もありますが(^_^;)
手水の作法
- ひしゃくで左手に水をかけます。
- 右手に水をかけます。
- 左手に水をためて口に含んですすぎます(水を出すときは手で隠します)。
- 口をつけた左手を洗います。
- 残った水でひしゃくの柄を洗います。
✅参拝の方法:
参拝の基本は二拝二拍手一拝(出雲大社は二拝四拍手一拝)ですが、 具体的なお願い事があるときはどうすれば良いのでしょう?
私も好きで色々な本を読んでいますが、書いてあることがバラバラで正直良くわかりません(戒律がないのが神道の良い所だと思っています)。
例をいくつか挙げると、
- 「○○して下さい」ではなく、「○○します」と誓いを立てるのが良い
- 祝詞/拝詞(のりと/はいし)を唱えるのが良い
- 具体的なお願いごとはせずに感謝の気持ちを伝えるのがよい
などなど・・・。
はじめに住所と氏名、(年は西暦ではなく元号で)誕生日を言うと良いという説もありますね。
✅祝詞/拝詞(のりと/はいし)色々
- 祓詞(はらえことば):もっともスタンダードな祝詞。
- 大祓詞(おおはらえのことば):約900字のプロ仕様。6月と12月の末日に奏上すると良い。
- 神棚拝詞(かみだなはいし):神棚に向かって奏上する祝詞で、決意表明のようなもの。
- 略拝詞(りゃくはいし):祝詞を簡略化したもの。神社でも神棚でも可。
など色々ありますが、最も簡単なのは略拝詞(りゃくはいし)で、祓(はら)え給へ 清め給へ 守り給へ、幸(さきは)え給へというもの。
神社で長々と祝詞を言うのは後ろに人が待っている場合は迷惑ですし、略拝詞は短い言葉ですが、「お祓い下さい、お清め下さい、お守り下さい、幸福にして下さい」という お願いごとの全てが詰まっているのでこれだけで良い気がします。
ちなみに神社は1日と15日に参拝するのがが特に良く、多くの神社で神事(月次祭)が行われることが多いようです。
✅摂社/末社:
神社の境内には本殿(拝殿)とは別に、お社がいくつかあります。
それらは摂社、末社と呼ばれるもので、そこには主祭神以外の神様がお祀りされています。
例えば、大宮氷川神社の御祭神は、ヤマタノオロチ退治で有名な建速須佐之男命(スサノオノミコト)、櫛名田比売命(クシナダヒメノミコト、建速須佐之男命の奥様)、大国主大神(オオクニヌシノカミ、建速須佐之男命の子孫であり出雲大社の御祭神)ですが、摂社、末社には天照大御神(アマテラスオオミカミ)が祀られる神明神社など10以上の神社があります。
摂社と末社の違いですが、摂社は格上で、御祭神と関係のある(親子であったり妻であったりという)神様が、末社には御祭神とは関係のないお稲荷さんのような人気のある神様がお祀りされているようです。
神様には得意な分野がありますので、時間があれば主祭神以外の神様にも参拝することをおすすめします。
大宮氷川神社の本殿の隣には、門客人神社といって足名椎神(アシナヅチノカミ)、手名椎神(テナヅチノカミ)という櫛名田比売命のご両親もお祀りされています。
秩父の山奥にある、三峯神社にはやや小降りながら茅葺屋根が立派な伊勢神宮もありました。
摂社、末社を回ってみると、意外な神様も祀られていて結構楽しめますよ。
✅幸せが授かる日本の神様事典:
『幸せが授かる日本の神様事典』は古事記をベースに、神様のキャラクターやご利益、祀られている神社などがわかりやすく紹介されている本です。
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✅お守り:
お守りとは、携帯出来る神様です。神社に行きたくても行けない人に配られたのが始まりとか。
おみやげにも最適ですし、お気に入りの神様は常に身につけていたいものです。
お守りは、一年の終わりや、願いごとが叶ったときに神社にお返します。大きな神社には、古いお守りを納める古神札納所がありますので、今までの感謝を伝えお返ししましょう。
✅おみくじ:
せっかく神社へ行ったなら、おみくじを引きましょう。神様からのメッセージかもしれません。
引いたおみくじは近くの木に結ぶという人がほとんどだと思いますが、私は持って帰りますね(どちらでもよいらしいです)。記念になりますし、神様からのメッセージならちょくちょく見たいですから。
※『「日本の神様」がよくわかる本 』によると、おみくじを木の枝に結ぶのは御祭神が縁結びの神である場合だけとのことです。
私は一年の終わりや、神社で新しいおみくじを引いた時に古神札納所にお返しするようにしています。
神様をお祀りする
神社が好きで、車中泊でいろいろな神社を参拝してきましたが、いつでも拝める神社が欲しくなりました。
神棚です。
神札は、車中泊で伊勢神宮に行った時に初めて購入したのですが、我が家には神棚なんて無いし、、、と思ったのですが、気持ちの問題ですからね。
はじめは棚に神札を置いてお祀りするだけでしたが、調べれは調べるほと神棚は奥が深いものだということがわかりました。
神札を祀るにも作法があって、南、または東向きの清潔な高い場所に祀ります(神様の背中が北、または西)。
神棚には3柱の神様をお祀りするのが基本で、中央には天照大御神の神札、向かって右には地域を守る氏神(うじがみ)様、左に崇敬する神社の神札を祀ります(重ねる場合は手前から、天照大御神、氏神様、崇敬する神社の神札の順)。
※もっと丁寧にお祭りする場合、天照大御神の食料を司る伊勢神宮外宮の神様、豊受大神を天照大御神と一緒にお祀りすることもあるようです。
私は毎年伊勢神宮に行くようにしているので、外宮でいただいた豊受大神の神札を天照大御神の後ろに置いて合計4柱の神様をお祀りしています(擬似伊勢神宮で天照大御神も喜んでくれてるでしょうか??)。
日本の総氏神様である伊勢神宮の天照大御神の神札(神宮大麻)は地域の大きな神社には大抵ありますので、遠い伊勢まで行かなくても手に入れることができますが、一度は行っていただきたい場所です。神聖でとても素晴らしいところですよ。
✅氏神様とは:
氏神様とは、その地域をお守りする神様のことで、わからない場合は各都道府県の神社庁へ問い合わせ、自宅や会社の住所を言えば教えていただけます。
小さな神社の場合、他の神社との兼務社となっていることが多く、神職さんが居ない無人のところもありますが、お祭りや年始(初詣)に行くと、神札や破魔矢、お守りなどが買えますのでその時まで待つか、兼務社へ問い合わせるとその神社で買える場合があります。
崇敬する神社とは、あなたが個人的に崇敬している神社のこと。例えば神社参拝をしていて、ここ雰囲気いいなぁ~とかパワーを感じるなぁ~という神社はあなたに合っている神社なのかもしれませんね。
私は父の実家にあり、私の名前を付けていただいた神社の神札を崇敬神社としてお祀りしています。
✅神札の交換:
神札はいつ交換するのが良いのでしょう?伊勢神宮で聞いたところ、神札には何年度版というのはないので特にこだわらずに一年程度の交換で良いとのこと。
地元の神社では、伊勢神宮の神札(神宮大麻)はなくなり次第授与終了なのだが、毎年10月にあるお祭りから再頒布されるとのことなので、10月~1月の初詣辺りで交換するのが良いのではないでしょうか。
ただし、29日は「九(苦)日飾り」、12月31日は「一夜飾り」といわれ良くないようですので避けたほうが良さそうです。
神棚の選び方:神明造と大社造
神社の社殿は大きく分けて、神明造(しんめいづくり)と大社造(たいしゃづくり)に分けられます。
神明造で有名なのは伊勢神宮。古代の倉が元になっていると言われていて、屋根の面が正面に見える平入りと呼ばれる形式です。
大社造で有名なのは出雲大社。古代の宮殿が元になっていると言われていて、屋根が左右に流れている面が入口となる 妻入りと呼ばれる形式が特徴です。
神棚は天照大御神をお祀りするのが基本ですから、特別なこだわりが無い限り、神明造りの神棚がおすすめです。
私は伊勢神宮へ参拝した際の茅葺屋根の唯一神明造りにとても魅力を感じてしまったので、茅葺屋根のタイプを選びましたが、板葺きの屋根が一般的ですね。
一社造りか三社造りか
神棚を置く棚板の基本サイズは、幅1100mm(3尺6寸5分)、奥行き360mm(1尺2寸)というもので、このサイズには「365日、12ヶ月お祀りします」という意味が込められているそうです。
大きなサイズですがオフィスやご自宅に十分なスペースが有るならこのサイズがおすすめです(破魔矢やダルマさんなど縁起物を色々置けますし)。
神棚は小さくシンプルな一社造、豪華な三社造(五社造や七社造)などがあります。箱宮タイプも魅力的ですね。
✅神棚・壁掛け対応タイプ:
✅神棚・一社造:
✅神棚・三社造(通し屋根タイプ):
✅神棚・三社造(屋根違いタイプ):
✅神棚・箱宮:
もちろん、お祀りすることが大切ですので、小さいからダメということではありません。
神棚はネットやホームセンターで買っても大丈夫??
神棚は神社や神具店で買わなくてももちろんOKです。もし気になるようなら神社でお祓いしていただいても良いでしょうね。
▼こちらはネットで数千円で購入した神棚ですが、崇敬神社である埼玉県の鴻神社でお祓いしていただいたものです。気分的なものだと思いますが、やることやっておくと安心です。
奉鎮(ほうちん)とは、お祓い済みですよという意味。天照皇大神と鴻神社大神の文字と印が入りました⛩。
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神棚以上に大切なのが棚板
神棚を置く棚板は、単なる神棚(宮形)置きではありません。棚板の両脇には柱が立っていて、その上には雲板が付いています。
この形何かに似ていませんか??そうです鳥居です。
鳥居は神域と現世を隔てる結界を意味するもので、鳥居を置くことでその先にある神棚や神札は神聖な場所にありますよと言うことだそう(注連縄:しめなわ にも同様の意味がありますのでどちらか一つは設置したいところ)。
雲板も重要で、雲板とは文字通り雲を意味し、設置場所がどこであっても、神棚のあるところは一番高い天界(高天原)を意味するそうです(マンションなど上に建物があるときは『雲』と書いた紙を神棚の上に貼るのも良いらしい)。
単にグッズを買って置くだけのことかもしれませんが、神様からしてみたら、神域と俗界が区切られた神棚(神札)とそうでない神棚(神札)どちらにやってくるでしょう??
※神様はいつも神社や神棚に居るわけではありません。鈴を鳴らしたり拍手をすることで神様を招来しているのです。
予算がないなら神棚よりも、まずは棚板かもしれません。
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※しめ縄には長さがありますのでお使いの神棚にあったサイズを選びましょう。形は”ごぼうじめ”と呼ばれる写真のような片側が細くなっているタイプが一般的です。
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神棚へのお供え物(基本は米、水、塩)
神様に毎日お供えするのは、水と米と塩。
水は命の源、米は天照大御神が天孫降臨の際、お孫さんの邇邇藝命(ニニギノミコト)に持たせた神聖な食物、塩は浄めの意味があります。
水と塩は高月(もしくは平皿)に、水は水玉(水器)に入れ、三宝もしくは長膳と呼ばれる台に乗せて神棚の前にお供えします。
水と米と塩の位置も決まっているので間違えないようにしましょう。
1日や15日、祝日などおめでたい日などには、お酒(お神酒)を瓶子(へいし)にいれてお供えします。お供えしたお水やお塩、お酒はお清めとして玄関に撒いたり、お米はお下がりとしていただくと良いでしょう。
※ここで言う塩とは、サラサラな食卓塩(精製塩)ではなく、伯方の塩など精製していない粗塩のことです。
粗塩
※お清め用の塩も売っていますが、普通の粗塩で問題ないと思います。
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✅榊:
神棚の両脇には栄える木とか境の木(神聖な場所を意味する)榊(サカキ)を榊立てに入れて飾ります。
榊は花屋さんはもちろん、スーパーやホームセンターにも売っています。人工のものもありますが、できれば本物を用意したいところです。
※水は毎日交換し、榊は1日と15日もしくは枯れる前に交換します。毎月1日、15日に届けてくれる榊の定期便は便利ですね。
榊 定期便
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✅神鏡:
神棚の扉の前には神の依代の意味もある神鏡を置くと良いようです。
これらはセットで一式揃えるのがよいですね。
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神棚拝礼の作法
最後に『家庭の祭祀辞典』という本から神棚拝礼の作法を簡単に紹介したいと思います。神社や神棚の参拝方法は色々あり、どれが正解と言うものではありませんが参考にしてください。
手を洗い、口をすすぐなど、身を清め衣服を正した後に
その1
- 揖(ゆう)をし、宮形の扉を開き、再度、揖(ゆう)
※揖(ゆう)とは拝につぐ敬礼作法で軽いお辞儀に相当
※宮形の開閉にはこだわる必要ない - 揖(ゆう)をし、神饌(洗米、水、塩)を供えて、再度、揖(ゆう)
- 二拝二拍手一拝
- 宮形の扉を開けた場合は閉じ、揖(ゆう)をし、神前から退下
※祝詞を唱えずに、二拝二拍手一拝だけでも良いのですね。
その2
- 1~2は同じ
- 二拝してから神棚拝詞(かみだなはいし)、後に二拝二拍手一拝
- 宮形の扉を開けた場合は閉じ、揖(ゆう)をし、神前から退下
※私は神棚拝詞ではなく、略拝詞(りゃくはいし)を唱えることが多いです。
その3
- 1~2は同じ
- 二拝してから祓詞(はらえことば)、後に二拝二拍手一拝、二拝、神棚拝詞(かみだなはいし)、二拝二拍手一拝
- 宮形の扉を開けた場合は閉じ、揖(ゆう)をし、神前から退下
※特別の祈願内容がある場合、祈願詞(祈願内容を記した文章)を神棚拝詞の後に続ける。その場合、「別辞(ことわ)きて白(もう)さく」と繋ぎ、その事柄を奏上し、「恐(かしこ)み恐(かしこ)みも白(もう)す」と結ぶ。
祝詞/拝詞(のりと/はいし)色々
- 祓詞(はらえことば):もっともスタンダードな祝詞。
- 大祓詞(おおはらえのことば):約900字のプロ仕様。6月と12月の末日に奏上すると良い。
- 神棚拝詞(かみだなはいし):神棚に向かって奏上する祝詞で、決意表明のようなもの。
- 略拝詞(りゃくはいし):祝詞を簡略化したもの。神社でも神棚でも可。
など色々ありますが、最も簡単なのは略拝詞(りゃくはいし)で、祓(はら)い給へ 清め給へ 守り給へ、幸(さきは)え給へというもの。
神社で長々と祝詞を言うのは後ろに人が待っている場合は迷惑ですし、略拝詞は短い言葉ですが、お願いごとの全てが詰まっているのでこれだけで良い気がします。
おすすめ書籍:家庭の祭祀事典 神棚と敬神行事
『家庭の祭祀事典 神棚と敬神行事』は、値が張る本ですが、神道を勉強するなら中途半端な本を沢山買うよりコレ一冊のほうが余程ためになります。
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まとめ:神様を祀るようになって何かが変わった
私は非常に俗物的な人間で、毎朝のお祀りはもちろん、良いことがあると(二拝二拍手一拝などを特にせず)感謝を言ったり、嫌なことがあると愚痴ったり、都合よく神様を利用している感じなのですが、自宅と仕事場に神棚を祀るようになってから、答えが早く見つかるようになった気がします。
この場合どうすればよいのだろう?という時に、神様に問いかけると、数日後に○○してみようかな??と、アイデアがふと浮かぶことが多くなったような気がするのです(気のせいかな?)。
もちろん、神様を祀ったからといって、宝くじが高額当選することはないし、恋が成就したり、仕事が大成功するなどということは今のところないですが、私にとって神様は良い相談相手のような存在かな?と思っています(非常に恐れ多いことではありますが・・・)。
みなさまも是非、散歩や旅行のついでにでも神社を見つけたら参拝してみてください。そして神札をご自宅や会社にお祀りしてみてください、何かが変わるかもしれませんよ。
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