執筆・監修: Tsune

大祓詞(おおはらえのことば)~神社または神棚への拝礼作法

西牟田 崇生『家庭の祭祀事典 神棚と敬神行事』 日記/コラム

神社または神棚への拝礼作法の紹介。大祓詞(おおはらえのことば)とは約900字のプロ仕様の祝詞。6月と12月の末日に奏上すると良い祝詞です。

西牟田 崇生『家庭の祭祀事典 神棚と敬神行事』


大祓詞(おおはらえのことば)

大祓詞(おおはらえのことば)~神社または神棚への拝礼作法(縮小版)
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高天原(たかまのはら)に
神留(かむづ)まり坐(ま)す
皇親神漏岐(すめらがむつかむろぎ)
神漏美(かみろみ)の命以(みことも)ちて
八百萬神等(やおよろづのかみたち)を
神集(かむつど)へに集(つど)へ賜(たま)ひ
神議(かむはか)りに議(はか)り賜(たま)ひて

我(あ)が皇御孫命(すめみまのみこと)は
豊葦原瑞穂國(とよあしはらのみづほのくに)を
安國(やすくに)と平(たいら)けく知(し)ろし食(め)せと
事依(ことよ)さし奉(まつ)りき。

此(か)く依(よ)さし奉(まつ)りし國中(くぬち)に
荒振(あらぶ)る神等(かみたち)をば
神問(かむと)わしに問(と)はし賜(たま)ひ
神掃(かむはら)ひに掃(はら)ひ賜(たま)ひて

語問(ことと)ひし磐根(いはね)・木根立(きねたち)・草(くさ)の片葉(かきは)をも語止(ことや)めて、
天(あめ)の磐座放(いはくらはな)ち
天(あめ)の八重雲(やへぐも)を
伊頭(いつ)の千別(ちわき)に千別(ちわき)て
天降(あまくだ)し依(よ)さし奉(まつ)りき。

此(か)く依(よ)さし奉(まつ)りし四方(よも)の國中(くになか)と、
大倭日高見國(おおやまとひだかみのくに)を
安國(やすくに)と定(さだ)め奉(まつ)りて、

下津磐根(したついはね)に宮柱(みやばしら)太敷(ふとし)き立(た)て、
高天原(たかまのはら)に千木高知(ちぎたかし)りて、
皇御孫命(すめみまのみこと)の瑞(みづ)の御殿(みあらか)仕(つか)へ奉(まつ)りて、
天(あめ)の御蔭(みかげ)・日(ひ)の御蔭(みかげ)と隠(かく)り坐(ま)して、
安國(やすくに)と平(たいら)けく知(し)ろし食(め)さむ國中(くぬち)に成(な)り出(い)でむ
天(あめ)の益人等(ますひとら)が、

過(あやま)ち犯(をか)しけむ種種(くさぐさ)の罪事(つみごと)は、
天津罪(あまつつみ)、國津罪(くにつつみ)、
許許太久(ここだく)の罪出(つみい)でむ。

此(か)く出(い)でば、
天津宮事(あまつみやごと)以(も)ちて、
天津金木(あまつかなぎ)を本打(もとう)ち切(き)り、
末打(すゑう)ち断(た)ちて、
千座(ちくら)の置座(おきくら)に置(お)き足(た)らはして、

天津菅麻(あまつすがそ)を本刈(もとか)り断(た)ち、
末刈(すゑか)り切(き)りて、
八針(やはり)に取(と)り裂(さ)きて、
天津祝詞(あまつのりと)の太祝詞事(ふとのりとごと)を宣(の)れ。

此(か)く宣(の)らば、
天津神(あまつかみ)は天(あめ)の磐戸(いはと)を押(お)し披(ひら)きて、
天(あめ)の八重雲(やへぐも)を伊頭(いつ)の千別(ちわ)きに千別(ちわ)きて、
聞(き)こし食(め)さむ。

國津神(くにつかみ)は高山(たかやま)の末(すゑ)、
短山(ひきやま)の末(すゑ)に登(のぼ)り坐(ま)して、
高山(たかやま)の伊褒理(いほり)、
短山(ひきやま)の伊褒理(いほり)を掻(か)き分(わ)けて聞(き)こし食(め)さむ。

此(か)く聞(き)こし食(め)してば、
罪(つみ)と云(い)ふ罪(つみ)は在(あ)らじと、
科戸(しなど)の風(かぜ)の天(あめ)の八重雲(やへぐも)を吹(ふ)き放(はな)つ事(こと)の如(ごと)く、

朝(あした)の御霧(みぎり)、夕(ゆうべ)の御霧(みぎり)を、
朝風(あさかぜ)、夕風(ゆうかぜ)の吹(ふ)き拂(はら)ふ事(こと)の如(ごと)く、

大津辺(おおつべ)に居(お)る大船(おおふね)を、
舳解(へと)き放(はな)ち、艫解(ともと)き放(はな)ちて、
大海原(おおうなばら)に押(お)し放(はな)つ事(こと)の如(ごと)く、

彼方(おちかた)の繁木(しげき)が本(もと)を、
焼鎌(やきがま)の敏鎌(とがま)もちて打(う)ち掃(はら)ふ事(こと)の如(ごと)く、

遺(のこ)る罪(つみ)は在(あ)らじと、
祓(はら)へ給(たま)ひ、清(きよ)め給(たま)ふ事(こと)を、

高山(たかやま)の末(すゑ)、短山(ひきやま)の末(すゑ)より、
佐久那太理(さくなだり)に落(お)ち、多岐(たぎ)つ速川(はやかわ)の瀬(せ)に坐(ま)す
瀬織津比売(せおりつひめ)と云(い)ふ神(かみ)、大海原(おおうなばら)に持出(もちい)でなむ。

此(か)く持(も)ち出(い)で往(い)なば、
荒潮(あらしお)の潮(しお)の八百道(やほぢ)の八潮道(やしほぢ)の潮(しほ)の八百曾(やほあい)に坐(ま)す
速開都比売(はやあきつひめ)と云(い)ふ神(かみ)、持(も)ち加加呑(かかの)みてむ。

此(か)く加加呑(かかの)みてば、
気吹戸(いぶきど)に坐(ま)す気吹戸主(いぶきどぬし)と云(い)ふ神(かみ)、
根國(ねのくに)、底國(そこのくに)に気吹放(いぶきはな)ちてむ。

此(か)く気吹放(いぶきはな)ちてば、
根國(ねのくに)、底國(そこのくに)に坐(ま)す速佐須良比売(はやさすらひめ)と云(い)ふ神(かみ)、
持(も)ち佐須良比(さすらひ)失(うしな)ひてむ。

此(か)く佐須良比(さすらひ)失(うしな)ひてば、
罪(つみ)と云(い)ふ罪(つみ)は在(あ)らじと、

祓(はら)へ賜(たま)ひ、清(きよ)め賜(たま)ふ事(こと)を、
天津神(あまつかみ)、國津神(くにつかみ)、
八百萬(やほよろづ)の神等(かみたち)共(とも)に聞(き)こし食(め)せと白(まを)す。

※写真は 西牟田崇生『家庭の祭祀事典 神棚と敬神行事』よりキャプチャーしたものです。神棚や神社参拝の際に参考にして下さい。

 

神棚拝礼の作法

伊勢神宮で購入した神棚(棚板サイズ幅600mmx奥行き350mm)

手を洗い、口をすすぐなど、身を清め衣服を正した後に

その1

  1. 揖(ゆう)をし、宮形の扉を開き、再度、揖(ゆう)
    ※揖(ゆう)とは拝につぐ敬礼作法で軽いお辞儀に相当
    ※宮形の開閉にはこだわる必要ない
  2. 揖(ゆう)をし、神饌(洗米、水、塩)を供えて、再度、揖(ゆう)
  3. 二拝二拍手一拝
  4. 宮形の扉を開けた場合は閉じ、揖(ゆう)をし、神前から退下

その2

  1. 1~2は同じ
  2. 二拝してから神棚拝詞(かみだなはいし)、後に二拝二拍手一拝
  3. 宮形の扉を開けた場合は閉じ、揖(ゆう)をし、神前から退下

その3

  1. 1~2は同じ
  2. 二拝してから祓詞(はらえことば)、後に二拝二拍手一拝、二拝、神棚拝詞(かみだなはいし)、二拝二拍手一拝
  3. 宮形の扉を開けた場合は閉じ、揖(ゆう)をし、神前から退下

※特別の祈願内容がある場合、祈願詞(祈願内容を記した文章)を神棚拝詞の後に続ける。その場合、「別辞(ことわ)きて白(もう)さく」と繋ぎ、その事柄を奏上し、「恐(かしこ)み恐(かしこ)みも白(もう)す」と結ぶ。

 

その他祝詞

 

『家庭の祭祀事典 神棚と敬神行事』の詳細/価格情報

『家庭の祭祀事典 神棚と敬神行事』は、値が張る本ですが、神道を勉強するなら中途半端な本を沢山買うよりコレ一冊のほうが余程ためになります。

西牟田 崇生『家庭の祭祀事典 神棚と敬神行事』

 

神棚の詳細/価格情報

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