レビュー~正弦波のDC/ACインバーターを購入したのでご飯を2合炊いてみたよ

正弦波のDC/ACインバーターの選び方とレビュー~果たして美味しいご飯は炊けるのか

2022年4月3日車中泊グッズ,ポータブル電源

先日自作したサブバッテリーシステム(ポータブル電源)用に正弦波のDC/ACインバーターを導入です。果たして100Vの炊飯機でご飯は美味しく炊けるのか??DC/ACインバーターの選び方も紹介。

レビュー~正弦波のDC/ACインバーターを購入したのでご飯を2合炊いてみたよ


正弦波のDC/ACインバーターとは

3.11の大地震から早いものでもう11年経ちますが、先日2022年3月16日夜に東北でおこった地震(震度6)の影響で、私の住む関東の一部でも停電があったようです。

 

電気が使えないと何も出来ないのでやはり備えは大切だよね!ということで、ポータブル電源を用意しておこうと思ったのですが、多くのポータブル電源は非力で、LEDの電球をつけたり携帯の充電程度の用途では使えるものの、100Vの家電製品を数日間駆動させるだけのパワーはありません(あってもめっちゃ高価)。

 

で、先日バッテリーとバッテリーケース購入し自分でポータブル電源(サブバッテリーシステム)を組んでみたのですが、100Vの家電製品を使えるようにする大容量のDC/ACインバーターは未購入でした(シガーソケットに繋ぐようなインバーターはは非力なので使えません)。

 

大容量の正弦波のDC/ACインバーターがあれば、LEDの電球や携帯電話の充電はもちろん、バッテリーが続く限りは100Vの電源でご飯を炊いたり、お湯を沸かしたりといった簡単な調理が出来るようになります。

 

DC/ACインバーターの性能

DC/ACインバーターとひとことで言っても性能はピンキリで、車用のシガーソケットから取れる簡単なものから、バッテリーターミナルに直接つないで取るものまで様々です。

シガーソケットで使えるDC/ACインバーター 正弦波のインバーター

シガーソケットは最大消費電力は120W(最大消費電流:10A)程度なので、スマートフォンの充電やLED電球の点灯程度の使用なら問題ありませんが、例えば家庭で使う炊飯器や電気ポットなど煮炊きするような機器や、電気毛布などの暖房器具などは消費電力が大き過ぎて使うことが出来ません。

 

✅正弦波インバーター/電化製品ごとの目安:

正弦波インバーター/電化製品ごとの使用目安

正弦波インバーター/電化製品ごとの目安~タイガン 楽天市場店~より

必要最小限のインバーターでもないよりマシですが、やはり数日間は生き延びるための備えは必要ですよね、、、、。

 

と、ちょっと大げさですが、私は車で寝泊まりする車中泊もたまにやるので、持ってたら便利かな?と思い購入することにしました。

 

購入した正弦波のDC/ACインバーター

購入した1000W(最大2000W)のDC/ACインバーター

DC12VをAC100Vに変換するDC/ACインバーターにはいくつか種類があり、同じ100Vに変換するのものでも、100Vの交流の波形に似せた擬似正弦波と、正弦波のインバーターがあり、擬似正弦波のインバーターは安いのですが、波形が綺麗ではないために医療機器などの精密機器やマイコン制御の電気製品(電気毛布など温度調整ができるもの)、扇風機などモーターを使った製品などは回転が遅いなど正常動作しなかいものも多いのです。

 

私が以前使っていたINFONIX / PG-421SPというポータブル電源に搭載されていたインバーターがまさにそれで、扇風機を繋ぐと回転がめちゃくちゃ遅かったです。

以前使っていたINFONIX / PG-421SPというポータブル電源は擬似正弦波のインバーターが搭載されていました

もちろん、用途によっては擬似正弦波のインバーターでも良いのですが、お金に余裕があれば、やはり正弦波のインバーターを持っておきたいところです。

 

擬似正弦波と正弦波以外にも最大消費電力の問題もあって、家庭用の電気ポットでお湯を沸かしたり、ご飯を炊いたりするには最低でも1000W以上の(正弦波の)インバーターが必要です(シガーソケットで使用できる商品もありますがコップ1杯のお湯を沸かすだけでも20分くらいかかります)。

車中泊におすすめのポット”ワクヨさん”
車載用ポット ワクヨさん(DC12V)

と言っても私も素人で良くわからないので、手持ちの3合の炊飯器(象印極め炊きNS-NF05・420W)が使えるかどうかを目安に選びました。

手持ちの3合の炊飯器(象印極め炊きNS-NF05・420W)

インバーターを購入したのはタイガン 楽天市場店さんですが、ショップにこの420W炊飯器(象印極め炊きNS-NF05)が使えるインバーターを問い合わせたところ、出力容量は600W以上のもので、さらに余裕を見て1.3~1.5倍程度の容量のインバーター(780~900W)であれば問題ないとのことでしたφ(..)メモメモ。

※詳しい計算方法はページ下部に書きました。

 

もちろん接続するのは炊飯器だけでなく、夜間はLED電球も灯すでしょうし、夏場には扇風機、冬場には電気アンカや電気毛布ももしかしたら同時に使うでしょうから、私は1000W/瞬間最大2000Wの正弦波のインバーターを購入することに。

※電気ストーブは電気を食いますが、電気アンカや電気毛布など体に密着させるものは意外と省エネで、ポータブル電源(サブバッテリー)でも使えます。

 

この炊飯機を使うにはバッテリーの容量は45Ah以上のものが必要とのことで、現在の自作のポータブル電源のバッテリーにはACDelcoのM24MFという80Ahのディープサイクルバッテリーが入っていますので問題なさそう(以前使用していたポータブル電源のバッテリーは20Ahでしたのでそれではこの炊飯器は使えませんε-(´∀`*)ホッ)。

 

正弦波1000Wのインバーターでご飯を炊いてみる

早速到着しましたので、このインバーターで、ご飯(2合)を炊いてみます。

レビュー~正弦波のDC/ACインバーターを購入したのでご飯を2合炊いてみたよ

バッテリーの電圧は13.1V、インバーターから出力されるコンセントの電圧は119Vでした。

購入した1000W(最大2000W)インバーターのACコンセントの電圧

マニュアルによると、これは無負荷状態でのことで、負荷状態にすると100~110V程度に下がるそうです。気になる方は内部のポテンションメーターを回すことで電圧の調整も可能とのこと>見当たりませんでした。

 

それでは早速、2合のご飯を炊いてみます。

 

炊飯時にワットモニターという、家電のワット数や電気代が計測できる機器をインバーターと炊飯機の間に繋いで監視したところ、炊飯器は常時420W使うのではなく、420W(実際は430W)▶0W▶430W▶0Wと、数秒毎にON/OFFを繰り返すのですね。

 

以下のサイトで家電の使用時間のを計算すると、私の80Ahのバッテリーだと(80Ahx12V=960Whの0.8を掛けると768Wh)になり、420Wの炊飯器なら1.8時間程度しか使えない計算になるのですが、数秒毎にON/OFFされることを考えるともう少し長く使えそうです。

インバーターやバッテリー初心者の方へ【電気製品が使える時間】_ 車中泊専門店 オンリースタイル

Tsuneくん

Tsuneくん

インバーター経由だと電圧(119V)の関係なのか?消費電力の数値がやや高く、553W▶0W▶533W▶0Wを繰り返していました(通常モード)。

ワットモニターで炊飯機の電力を計測してみた ワットモニターで炊飯機の電力を計測してみた

早炊きモードは文字通り早く炊けるのでバッテリー消費を抑えられるのか?と思いきや、553W▶51W▶533W▶51WとOFFになるのではなく51Wを消費していました(だから早く炊けるのか)。

こちらがこのインバーターとバッテリーの組み合わせで炊いたご飯です。

レビュー~正弦波のDC/ACインバーターを購入したのでご飯を2合炊いてみたよ

炊飯機は消費電力が多いのでインバーターを冷却するためのファンが少々うるさかったですが、問題なく炊けました🍚😃

 

電圧が高く心配でしたが、おこげが出来るわけでもなく普通に美味しいご飯が炊きあがりました。炊飯時間は100Vで炊くよりも少し早かったような。

 

炊飯後のバッテリーの残量をチェック

炊飯の前後でバッテリーの電圧の変動を見てみると、炊飯開始前は13.1Vで、炊飯終了後には12.7Vでした通常炊飯モード)。

ご飯を炊いた後のバッテリー電圧

また、バッテリー充電器ACDelco AD-2002に搭載のバッテリーチェッカーでは100%が90%と、10%の消費でした。

ご飯を炊いた後のバッテリー容量

これを多いと見るか少ないと見るかは分かりませんが、充電なしでもあと数回は問題なく炊けそうです(非常時は夏場以外なら沢山炊いておにぎりにでもしておけばOK🍙🍙🍙🍙🍙)。

 

もちろん車中泊等で何回も炊きたてご飯を食べたい場合は、消費電力を抑えた1~2合で200~300W程度の炊飯器もあるので、そちらを利用するのも良いですね。

 

✅2合炊き炊飯機を探す:

2合炊き炊飯機を探す

 

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インバーターの選び方

インバーターに何を繋ぐかによりますが、簡単な計算方法があります。

正弦波のインバーター

例えば420Wの炊飯機を繋ぐ場合、消費電力がどのくらいのインバーターを選べばよいかというと、インバーターで交流電流に変換するときには約20%のロスが発生するとのことで、420Wなら420÷0.8=525Wとなり、525W以上のインバーターが必要になりますが、余裕を見て消費電力の1.3~1.5倍程度の余裕を持ったインバーターを選ぶのが良いらしいです。

※ただし誘導型と呼ばれるモーターを使用した家電(家庭用冷蔵庫や扇風機など)は、電源を入れた瞬間の起動電流(サージ出力)が大きく、インバーターの出力範囲であっても動かない場合もあるとのこと。

 

そう考えるとインバーターは大きければ大きいほど良いということになりますが、大きいと筐体もそれだけ大きくなりますし、インバーター自体の電気もその分食うのであまり大きすぎるのも考えもの。

 

ちなみに使うバッテリーの容量は、使用する機器の例えば420Wの炊飯機なら、420W÷12V×1.25で求めることができ(43Ah)、出力容量は45Ah以上のバッテリー(充電量も100%の状態)が必要とのことです。

 

それ以外の注意点としては、電気の周波数が50Hz/60Hzと、東日本と西日本で異なるので、手動または自動で切り替え出来るものが良いと思います(まれにどちらかに固定のものもあるので注意)。

 

さらにバッテリーへの接続ケーブルはクリップではなくO端子のほうが確実ですね(ケーブルの自作も可能ですが、あまり細いケーブルですと使用する機器よっては熱を持ち被覆が溶けたり燃えてしまう?こともあるようです)。

 

まとめ

ディープサイクルバッテリーとバッテリーボックス、さらに正弦波のインバーターがあれば、携帯電話の充電や、ノートパソコンの駆動以外にも、ご飯を炊いたり、お湯を沸かしたり、電気毛布で暖を取っても無充電で2~3日位はいけるのではないかと思います。

ポータブル電源(サブバッテリー)があれば車内ワークも可能です

ポータブル電源(サブバッテリー)でご飯を炊いてカレーライスも作れます

車で過ごすことが多い人なら走行充電器や、ソーラーシステムを導入することでさらに長期間の車中泊にも対応できますよね。

おすすめの走行充電器(サブバッテリーチャージャー)

もちろんバッテリーはポータブル電源のような小さなものではなく、バッテリーとバッテリーケースとインバーターを購入して、自作(といっても簡単なので)したほうがパワフルかつコストを抑えることも出来ますのでおすすめです。

 

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