
副鼻腔炎(蓄膿症)の手術を受けました~痛みは?手術費用はどれくらい?医療保険請求の手続きは?
副鼻腔炎(蓄膿症)の手術を二泊三日の入院で受けてきましたので、手術決定から入院、全身麻酔下での手術、退院後までの体験を入院準備編、入院編、退院編と3部構成にしてまとめてみました。
- 1. 入院準備編
- 2. – 副鼻腔炎の手術を決めた理由
- 3. – 慢性副鼻腔炎の詳しい診断結果
- 4. – 副鼻腔炎の手術の危険性(合併症など)
- 5. – 気になるのは副鼻腔炎の手術費用
- 6. – 入院前に耳鼻科で指示されたこと
- 7. – 副鼻腔炎の手術/入院で事前に用意するもの
- 8. – その他手術/入院時前に持っていくと便利なもの
- 9. 入院編
- 10. – 手術1週間前から入院前日まで
- 11. – 入院一日目(前泊)
- 12. – 入院二日目(手術当日)
- 13. – 手術開始~9:00
- 14. – 初めての全身麻酔体験
- 15. – 入院三日目(退院日)
- 16. – 退院(お会計)~11:00
- 17. 退院編
- 18. – 退院1日目~20日目までの記録
- 19. – 病理組織検査で好酸球性副鼻腔炎が判明
- 20. – 退院25日目~2ヶ月目までの記録
- 21. – Bスポット療法を自分でやってみる
- 22. – 副鼻腔炎の手術まとめ
- 23. – 副鼻腔炎の手術は日帰りか入院か?
- 24. – 副鼻腔炎の完治は手術後最低半年必要
- 25. おすすめ記事
入院準備編
副鼻腔炎の手術は命に関わるようなものではありませんが、基本は全身麻酔下で行いますし、手術費用もかなり高額になります。
第一部の入院準備編では副鼻腔炎の診断から手術を決めるまでの経過と、手術/入院費用を抑えることが出来る高額療養費制度(医療限度額認定証)や、医療保険請求の手続き方法、持っていくと便利な入院グッズの紹介をしています。
– 副鼻腔炎の手術を決めた理由
副鼻腔炎(蓄膿症)は子供の頃から患っていましたが、私の中で最も嫌な症状が後鼻漏。後鼻漏とは鼻から排出されるべきドロッとした鼻汁が喉に落ちてくる症状です。
薄い鼻水程度なら誰でもあることですが、慢性副鼻腔炎の後鼻漏というのは、ドロッと粘着性のある鼻汁が落ちてくること。
ドロッとしたものなので、鼻をかんでも、痰を出すようにしても喉にへばりついているので全く動きません。
鼻洗浄すれば少しはマシになるのですが、仕事中などには出来ませんよね?酷いときはその鼻汁が取れないせいでオエッと吐きそうになる時もあります。
私の場合はそんなに頻繁にあるわけではないですが、それが人前で起こった時のことを考えるとなかなかの恐怖です。
私の鼻汁は通常、透明か薄く黄色い鼻汁なのですが、緑色の鼻汁が大量に出た事があって、何年かぶりに町の耳鼻咽喉科に通いはじめたのが約一年前のこと。
CTとファイバースコープでの診断の結果、やはり副鼻腔炎で鼻腔内にはポリープも出来ているとのこと。
それから1年間投薬治療を行ったのですが、多少の改善くらいで完治には至らず。

通院も面倒だし治らないからやめようかな?と思案していたところ、綿棒で鼻掃除中に鼻腔内の大きな血管を傷つけてしまい大量出血し、2度も救急車を呼ぶ羽目に(T_T)。
詳しくは:
結果、近所の総合病院の鼻咽喉科とご縁が出来たので、その後の鼻の傷のチェックと、慢性副鼻腔炎のチェックをファイバースコープとCT撮影をしたいただいたところ、相変わらず鼻腔内に鼻汁が落ちてきているし、副鼻腔内(主に篩骨洞と前頭洞)にも鼻汁が溜まっているということで手術を決断しました。
– 慢性副鼻腔炎の詳しい診断結果
私の副鼻腔炎の病名は、慢性副鼻腔炎(両方)、鼻中隔弯曲症、肥厚性鼻炎。
※退院時にいただいた診療明細書によると、術式の正式名称は『内視鏡下鼻腔手術I型』、『鼻中隔矯正術』、『内視鏡下鼻・副鼻腔手術III型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)』、『内視鏡下鼻・副鼻腔手術III型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)』です。
慢性副鼻腔炎の手術とは
慢性副鼻腔炎の手術とは、両鼻の上や奥、横にある副鼻腔という部分に膿(鼻汁)が溜まっているので、鼻腔内にできているポリープ(鼻茸)を内視鏡で除去したり副鼻腔を仕切っている壁を壊したりして、鼻腔と副鼻腔の通りを良くします。
鼻中隔弯曲症の手術とは
鼻中隔弯曲症の手術とは、鼻を左右に分けている中心の骨や軟骨を剥離、切除して曲がりを矯正します(前回の鼻血はこの曲がった頂点部分を綿棒で突っついてしまい、大量出血しました)。
肥厚性鼻炎の手術とは
肥厚性鼻炎の手術とは、下鼻甲介という鼻腔内にある壁が大きくなっているので、内部を削り体積を小さくします。
と、主に3つの手術を全身麻酔下で行うようです。
手術時間と入院期間
手術時間はおよそ二時間半で、入院は特に問題が起こらなければ二泊三日程度で済むとのこと。
入院するのも初めてなら、全身麻酔での手術も初めてなので怖いし不安ですが、副鼻腔炎は子供のころから悩まされてきたものですし、また去年からの投薬治療も小康状態といった感じだったので手術を決断しました。
副鼻腔炎関連の本によると、投薬治療は通常3~6ヶ月行い、改善が見られないようなら手術を検討しますとあるのに、通院していた町医者の先生からは手術の話は出ませんでした(悪い先生ではないんですけど)。
~健康一番けんいちVol.12より~
– 副鼻腔炎の手術の危険性(合併症など)
副鼻腔炎は命に関わるような手術ではないですが、大切な脳や、目の近くをいじりますので全く安全というわけではありません。
また、最近は日帰り手術もありますが、全身麻酔下での手術の場合、安全のために人工呼吸器を付けての手術となるので、気管挿管(酸素を肺へ送るために気管に管を通す作業)も必要になります。
気管に異物を直接入れますので、術後肺炎などのリスクも多少の覚悟は必要です。
– 気になるのは副鼻腔炎の手術費用
2泊3日の手術とはいえ、副鼻腔炎の手術は結構お金もかかります。特に私の場合は両鼻で、ポリープ(鼻茸)の除去だけでなく、鼻中隔湾曲症も肥厚性鼻炎もあります。
ネットで調べてみると、3割負担でもだいたい20~40万円くらいかかりそう(°д°;;)。>実際の金額については[入院編]の最後に書いています。
そんなお金ねーわ!と思いますが、日本は素晴らしい国ですね、医療保険制度がある上に、高額療養費制度というものが利用できるのです。
高額療養費制度とは
高額療養費制度とは1ヵ月に支払った医療費の窓口負担額が一定額を超えた場合に「高額療養費制度」が適用され、超えた負担額を高額療養費として加入している公的な健康保険から支給される制度です。
支払う上限額は、年齢や所得によって変わりますので、例えば去年からのコロナ禍で収入が落ち込んでいる方などは落ち込んでいる今こそが手術のしどきなのかも?と思ったりもします。
詳しくは:
高額療養費制度ってなに? | 知っておきたい保障のこと(PCでアクセスしないと当該ページへ飛びません)
医療限度額認定証の手続きもしておこう
高額療養費制度は、通常は退院時に患者本人が医療費の総額(3割負担分)を立て替え、約3ヶ月後に差額分が指定口座に振り込まれるという仕組みのようですが、医療限度額認定証の手続きを入院前に行っていれば、高額療養費制度で支給される金額を除いた金額のみを支払うことが出来るので安心です。
急病時はともかく、入院が事前に決まっているなら「医療限度額認定証」の手続きもしておいたほうが大金を用意しなくても良いのでおすすめです。
私は国民健康保険なので、市役所(区役所)に連絡し医療限度額認定証の申込書を送ってもらい必要事項を記入し返送。その後「医療限度額認定証」(昔の保険証のようなもの)が送られてくるので保険証と併せて病院の窓口に提示することで有効になります。
詳しいことは病院で教えていただけるはずなので、医療費が高額になる場合は「高額療養費制度」「医療限度額認定証」を利用したい旨を伝えましょう。
こちらもわかりやすいです:
高額療養費制度はいくらから適用?申請方法や計算方法をわかりやすく解説 ナビナビ保険
医療保険(県民共済)とは
私は県民共済(都民は都民共済)の医療保険に入っていますので、入院/手術にあたり同時に請求の手続きを行います。
県民共済は月々の掛金は2,000円と格安なのにも関わらず入院で8,000円/日、手術費用50,000円を負担してくれるというかなりお得な医療保険です。
医療・生命共済 | 共済商品を検討の方へ | 埼玉県民共済生活協同組合 公式ホームページより(PCでアクセスしないと当該ページへ飛びません)
なぜこんなに安いのかと言うと、県民共済(都民共済)は通常の保険会社の医療保険と違い、非営利団体なのでこのような格安で保険に加入できるとのことです。
民間の保険会社のように、細かな分類はないので手術内容によっては保障内容が寂しくなりがちなのは仕方がないですが、この安さは魅力です。
また、月2000円ほどの掛け金なのに、毎年還付金として結構な額が戻ってきます。去年は1万円だったかな?ちょっと意味がわかりません(^^)。
医療保険(県民共済)の請求手続き
県民共済(都民共済)の医療保険の申請はとても簡単で、以下のページに従って請求の手続きをするだけです(埼玉県民共済の場合)。
送られてきた封筒に必要事項を書き込み、入院期間が記載された領収書のコピーと、手術名が記載され診療明細書のコピーを入れるので、こちらは退院後の請求になります。
私の場合請求書の送付後、2日(営業日)には口座に、手術と入院x3日分の費用74,000円が振り込まれていました>はやっ!
– 入院前に耳鼻科で指示されたこと
歯科医院で歯のチェック
手術で全身麻酔をするにあたり、気管挿管と言って気管にゴムチューブを直接挿して人工呼吸器をつけますが(本人は眠っているので気づきません)、その際に口腔内に問題があると歯が欠けたり、口腔内の細菌により、術後肺炎などの合併症を起こす場合があるとのことで耳鼻科からの紹介状を持って近所の歯科医へ行きました。
私の場合は特に問題はありませんでしたので、上下の歯の歯石除去などを行い2度の通院で終了しました。
参考:
「外科手術の前には、虫歯の治療が必要」って?口腔ケアと手術の知られざる関係とは|公益社団法人神奈川県歯科医師会
その他手術の数週間前には、心電図や胸のレントゲン、採血などを行いましたが特に問題はなく手術へGo!です(やや血圧が高め)。
– 副鼻腔炎の手術/入院で事前に用意するもの
副鼻腔炎の手術/入院にあたり事前に用意するものがあります(病院により異なります)。
綿球
副鼻腔炎の手術後に鼻に詰める球状の綿。
術後に鼻腔内に止血用のガーゼを大量に詰められますが、仕上げにポン!とこの綿球で蓋をします。特に手術直後~2日程度は出血が多いのでこの綿球は自分で取り替えるように指示されます。
※綿球は病院の売店でも売っています。
ストロー
副鼻腔炎の手術では鼻にガーゼを大量に詰められ、実質口呼吸しかできなくなるので、鼻をつまんでつばを飲み込んだりすると分かると思いますが、空気が抜けなくて鼓膜に負担がかかるんですよね。また、飲み物が肺に入ってしまうリスクもあると思います。
そんな時にはやはり飲み物を直接飲むよりはストローを使って少しづつ飲んだほうが体への負担が少なくなりますので用意します(こちらも病院の売店でも売ってると思います)。
鼻洗浄器
私は持っていますが、こんなのも買うように指示されます。退院後に使用。
鼻うがいで使う液体は水に食塩水0.9%を溶かしたものなので、鼻にツンと来ることなくまったく痛くありませんので、副鼻腔炎など鼻の疾患を持っている方にはおすすめです。
※特に難病指定されている好酸球性副鼻腔炎は手術をしても再発の可能性が高いとのことなのでよりこまめな鼻洗浄が必要です。
鼻うがいキットは色々ありますが私がおすすめするのはサイナスリンスキットです。
多くの鼻うがいキットは鼻腔内をチョロチョロ~と言う感じですが、サイナスリンスキットはブシューーーと洗浄できるのでパワフルです(もちろん握り具合で弱くもできます)。
病院の売店でも買えるものですので、危険性はないと思います。
– その他手術/入院時前に持っていくと便利なもの
手術/入院にあたり、病院から用意するものを指示されますが、個人的に持っていってよかったもの、持っていけばよかったものを書いてみたいと思います。
キャリーバッグ
入院するに当たりちょうどよいバッグがなかったので新調しました。
一般的に1泊あたり10Lの容量が目安と言われているそうですが、大は小を兼ねるということで入院最長5泊程度を想定して46Lのキャリーバッグを購入。
このキャリーバッグは手持ち出来て、リュックとしても使えて、コロコロ転がせるなかなか便利な3wayタイプ。
二泊三日の入院で(バッグ込みで)6kg強でした。
調べてみたらキャリーバッグ(スーツケース)もレンタル出来るところがあるのですね、買って損した(^^ゞ
携帯電話
持っていかない人はいませんよね。仕事はもちろん、暇つぶしにはもってこいです。無料のWi-Fiが完備されているとあるとありがたいですが、暇つぶしに映画を見たりスポーツ中継を見たい方はモバイルルーターを持っていくと良いと思います。
短期間のレンタルも可能です。
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イヤホン
個室以外の方は必要ですので持っていきましょう。
充電器
持っていきましょう。
ノートパソコン/タブレット
必要であれば
消毒用アルコール
コロナ禍の必需品。小さなスプレー容器に入れて(病院にもありますが手元においておくと安心です)。
のどスプレー
喉の炎症に効果のある市販薬。副鼻腔炎の手術後しばらくは鼻に詰め物をして口呼吸になり、かつ気管挿管により喉の痛みと咳、痰、声枯れが発生しますので持っておくと良いと思います(事前に確認しましたが特に禁止されませんでした)。
手鏡
綿球の交換や血を確認するのにあると便利です(スマホの自撮りモードでもおk)
耳栓
大部屋の場合、他人のいびきなどうるさい場合がありますので必須です。ただし手術の後は鼻が塞がっているので耳栓はNG(だと思う。私は幸い個室だったので使いませんでした)。
その他、下着類やタオル、男性ならひげ剃りなどもあると良いですが、そのあたりは入院の際のパンフレットに書いてありますのであえて書きません。
入院から手術、退院までの体験記は次ページ以降で書きたいと思いますので興味のある方はこちらから。
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